“上海版Suica”登場、「Shanghai Pass」で観光と決済がいっそう便利に
上海市文化観光局は、5月19日の「中国観光の日」(中国旅游日)に、外国人観光客向けプリペイドICカード「Shanghai Pass」を発表した。このカードは実名登録が不要で、中国全土の330以上の都市の公共交通機関や観光地、ショッピング施設で利用可能だ。さらに、さまざまな特典が付帯されており、外国人観光客にとって移動と支払いが一層便利で快適になることが期待されている。
実名登録なしで利用可能
「Shanghai Pass」の特徴の一つは、利用に際して実名登録が不要な点である。外国人観光客は個人情報を提供する必要がなく、プライバシーへの配慮が見られる。公共交通機関だけでなく、一部の観光スポット、文化施設、ショッピングモール、スーパーマーケット、コンビニエンスストアでの決済に使うことができる。
事前に金額をチャージし、バス、地下鉄などで使えるほか、買い物時の小額決済のシーンでも重宝するという点では日本の「Suica」や「Pasmo」にも類似している。ただ、「Shanghai Pass」は中国全土の330以上の都市の公共交通機関で使用できるほか、観光地での優先入場や割引情報が含まれているメリットがある。
移動と買い物が便利でお得に
「Shanghai Pass」は、上海市内ならバス、地下鉄、タクシー、フェリーなど全ての交通機関を網羅している。1枚のカードで、北京、広州、西安、青島、成都、三亜、厦門などの公共交通機関でも利用できる。スマートフォン決済が不慣れな人なら、これまで各都市ごとにプリペイドの交通カードを買い求めていたかも知れないが、今後はこうした手間や無駄は一切不要になりそうだ。
上海観光で利用するなら、東方明珠塔、浦江クルーズ(游覧船)、上海タワー(上海中心)観光ホール、上海博物館、上海野生動物園など主要なスポットで入場料を「Shanghai Pass」で支払うことができる。カード裏面には専用のQRコードが記載されており、サービスガイドや割引クーポンなどの情報を取得できる。5月末までは「5・19中国旅游日」のキャンペーンが行われており、10以上の観光スポットで(数量限定で)粗品が贈呈されるなどの特典がある。
上海市文化観光局のWeixin公式アカウントの記事を元に編集部で作成・加工
多言語の使用マニュアルも
上海市内の新世界城、第一食品、好徳、良友の各コンビニエンスストアなど、主要なショッピング施設でも「Shanghai Pass」を利用して支払いができる。スマートフォン決済に慣れていない人や、現金での小額決済でお釣りの受け取りに困っていた人にとっては、「決済の救世主」ともいえるだろう。チャージした金額を使い切れなかった場合は残高の返金も可能だという。
なお、「Shanghai Pass」は虹橋国際空港、浦東国際空港、市内の交通カード自営サービスセンターなど多くの場所で扱っている。チャージや返金、カード故障時の対応も受け付ける。多言語の使用マニュアルも提供され、外国人観光客にとっては申し分のないサービスとなっているようだ。(編集:耕雲)
上海市文化観光局のWeixin公式アカウントの記事を元に編集部で作成・加工
参考
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